去る1216日(土)の昼下がり、ニコライ堂の名で親しまれている東京、お茶の水の「東京復活大聖堂」において、「ロシア正教についての学習会」が行われました。40人近い参加者の中には、なんと静岡、大阪、山形、北海道から駆けつけた方々も。盛況だったこの催し、以下、ごく簡単にご報告いたします。

学習会は、午後2時ちょうど、同教会の、その名もニコライ神父のご案内による聖堂内の見学でスタートしました。

(ニコライ神父はモスクワのご出身。モスクワ神学セミナリイとレニングラード神学アカデミイを卒業されて、2001年より東京復活大聖堂の司祭。同じくレニングラード神学校聖歌科を卒業された当協会会員、山崎瞳さんのご夫君でもいらっしゃいます。今回の学習会、常に超多忙でいらっしゃるご夫妻の厚意によって実現にこぎつけたのですが、実は突然の埋葬式〔突然、でないわけはないですね...〕を朝の早い時間帯に移していただいての開催ということで、企画した側は始まる前から感激という裏話も...)

荘厳なお堂の中に響く美しいロシア語に、しょっぱなから息を呑む一同...(聖堂内部のようすは日本正教会ホームページ
http://www2.gol.com/users/ocj/でごらんください)。30分と少しで見学は終わり、場所を会議室に移してさらに3時半ごろまでニコライ神父のお話をうかがいました.

テーマは、ロシア語通訳者が知っておいたほうがよい正教の知識や用語。具体的には、聖職者への呼びかけ方、注意すべき正教会用語、信者の生活における諸行事、重要な祭日などなど。平易、明快なロシア語により、通訳者必携の生きた知識が、短時間にうまくまとまったかたちで伝えられました。その後、
30分を超える時間が質疑応答にあてられましたが、あらかじめ提出してあった質問、その場で出された質問、いずれについても的を射たご回答をいただきました。また、ニコライ神父・山崎さんご夫妻がご準備くださった配布資料も非常に充実したもの。わかりやすいQA形式の解説や参考になるロシア語ホームページのURLのほか、在外シノド(Русская Православная Церковь Заграницей)との統合問題に関する資料も含まれています(この問題については、学習会向けにご提供いただいたCDにも音声・映像情報があります。下記参照)。

有益な情報の詰まったこの学習会、その一部始終の録音と資料は、近日中に協会の教材リストに追加され、HP読者の皆様にも入手可能となる予定です。

さらに、当日は、ロシア正教関連の情報を含む書籍とビデオ数点も紹介されました。上記のニコライ神父提供のCDのほか、イリーナ・ポポワさんによる最新情報満載のロシア案内『ロシアより愛を込めて』、さらに、ベルギー在住の会員織田桂子さんが送ってくださった、聖ニコライの日本と日露関係に関する論文集とDVD(日本ハリストス教会史)がそれ。最後のものは『当該学習会のお知らせメールを読んで日本に飛んで帰りたい思いだった』という織田さんがモスクワ旅行の折に購入され、学習会に間に合うようにとわざわざエアメールで協会にプレゼントしてくださったものです。これらはぜひご紹介したいものばかり。詳細をコチラにまとめてありますので、ぜひごらんください。

ロシア正教についての学習会(20061216日、於:ニコライ堂)で紹介された書籍とビデオ

イリーナ・ポポワ著『ロシアより愛を込めて』
『ロシアより愛を込めて』紹介(L・シチコワ)
『ロシアより愛を込めて』書評(柴田友子)
ニコライ神父提供のCD
ベルギー在住・織田桂子会員からの本&CD